本の読み方 読んだ本から使える本に
本当に本を楽しむ読み方
ただいろんな本を読むことだけが目標になっていませんか?
色んな情報に囲まれている現代だからこそ、一冊の本を深く読む、
読書では自分にしかできない体験を築いてほしい。
そのための技術を伝える一冊です。
この本で提唱しているのは「量」より「質」を重視した「スロー・リーディング」
という読み方です。
すなわち、一冊の本にできるだけ時間をかけゆっくりと読むことで、
5年後、10年後にも役に立ち、思考や会話を豊かにする、
そんな読書法を推奨しています。
以下のスライドに概要を示します (図1)。
量より質を重視した読書
図1上部に示したように読書を本当に楽しむために、
より深く理解して使える本にする技術がスロー・リーディングです。
速読と違ってゆっくり読むだけなら誰にでもできるよ。
ごもっともです。私もそう思いました。
ではスロー・リーディングはどう実行するか?
その基本は図中の①②に示したように、
①書き手の意図を汲み取り、②自分のなかに落とし込む
この2つが重要だと感じました。
スロー・リーディングが最も威力を発揮するのは小説です。
例えば「恋愛小説」は言ってしまえばノイズを取り去って
プロットだけ残せばただ単に二人の男女がくっついたり離れたりという話です。
ノイズこそが小説を面白くしているというのは確かに腑に落ちます。
また、作者は一貫してスローリーディングと速読が相反するものだと主張してます。
つまり、速読は単なる情報収集であり、読書は本来そういうものではない!という
考えを持っているのだと考えています。
本書の中では他にも速読による弊害がいくつか提示されています。
スロー・リーディングのテクニック
次に、本書で紹介されていたスロー・リーディングのテクニックを紹介します (図2)。
私なりに重要だと思ったポイントを5つに纏めました。
もしかしたら著者や別の読者は違う点を上げるかもしれませんが、
私なりの誤読ということで…。
図2に示したことの詳しい解説は割愛しますが、
ポイントは読書に主体的になることだと感じています。
「作者の主張」…大学受験では幾度と無く苦しめられた言葉ですが、
正しいことを汲み取るだけでなく、その先にある考えを自分で見出していく
それこそが、読んだ本を使える本にする極意なのかと感じました。
本書の第3章では夏目漱石や川端康成 等数々の文豪の文章を用いて、
著者の実践するスロー・リーディングを読むことができます。
本書に興味を持っていただいた方は、ここには書ききれなかった
スロー・リーディングの面白さが書かれているのでぜひ読んでみてください。